太龍軒と雑司が谷

またもや寒さが戻ったとある夕方、自転車に乗って野方へ。
最近、西武新宿線沿いを自転車で巡るのが好き。
まったりとした東京の下町感を存分に味わえる。
特に野方は商店街が元気なのがいい。
で、10年来の知人というか友人というか(笑)が関わっている「太龍軒」野方店へ。


清潔な店内。店員さんの接客がとても感じ良くて好感触。
ラーメンに半熟卵トッピングをチョイス。
店内には80年代歌謡曲が流れていて癒されます。
ラーメン到着。
ドロドロではなくトロっとした、優しくコクのあるスープが美味。
豚骨も醤油もしっかり立っています。
麺は中太で好みの茹で加減。チャーシューも美味い。そして、ほうれん草と海苔が嬉しい。
卓上にはニンニク、そして生姜。生姜って珍しいなと思って入れたらこれが合う。
とても丁寧に作られたラーメン。お世辞抜きで美味かった!


話し変わって、文庫版が出てたので購入した、樋口毅宏「さらば雑司が谷」。


エログロバイオレンスのセンス、スピード感、構成力。
文句のつけようがない。
これは面白い!
あっという間に読み終えました。まさに傑作。
この作家は面白いという本に久々に出会いました。
久々の作家買いシリーズに突入です。


面白い本を読み、夢中になるという行為は個人の思考を一時的に停止し、時間軸を狂わせ、
時に憧憬を誘い、刺激的な映像を脳内に与え、潜在的な性のモチーフをも操り、
暴力のカタルシスを与える。
さらには、読者を主人公に同一化させた刹那、無慈悲に放り捨てる。
この残酷さこそが小説の魅力。


と、ここまで長たらしく書かせるほどに面白い本でした。


大いなる着想を得て、作曲にえぐり込むよに打つべし打つべし。